高時給と最低賃金のアルバイトを経験

私は高時給のアルバイトをしていたのですが、ふとしたことがきっかけで最低賃金のアルバイトを経験することになりました。高時給のアルバイトというのは、結婚式の控室や披露宴にいらっしゃったお客様へのドリンクサービスを行うスタッフをしていました。

1本のお仕事時間は約3時間で時給は約1500円でした。土日しか業務はないものの、結婚式場でのアルバイトをしていたときは月に7万を超える収入を得ていました。自分の周りの人でアルバイトをしている人に聞いてみても、こんなに割の良いアルバイトはない、という話になるくらい自他ともに認める高時給のアルバイトでした。

結婚式という人生で一度きりの大切な日に、その日が大切な思い出になるお手伝いをさせていただくというお仕事ですので粗相などはあり得ないことから緊張感のある仕事場でありましたが、同時に新郎新婦や親族・お客様から幸せを分けてもらうことのできるとてもやりがいを感じるお仕事でした。そんなお仕事をしていた私がなぜ最低賃金のアルバイトを経験することになったかというと、それは自分がいま学んでいることに理由がありました。

現在私は医療系の大学に通う学生です。将来様々な人に接することになる職業を目指しており、さらに模擬患者様などと対峙して実に様々な経験をされている方と接することになるということを知りました。そんな中で高時給のアルバイトしか経験していない私は患者さんの気持ちをわかってあげることができないのではないか、と思いました。

入院していた方が退院するにあたり復職する場合に高時給で雇ってもらえるケースは多くありません。そのため私は最低賃金のアルバイトを経験することにしました。新たに始めたアルバイトはレンタルショップのスタッフです。時給は最低賃金であり900円以下。3時間働いても、結婚式場でのお仕事の半分程度しかもらえません。仕事に慣れるまでは本当につらく、やめたいと思うことが多くありましたが、仕事に慣れてくると1時間が過ぎるのはあっという間になりました。

さらにレンタルショップのお仕事はルーチンワークが多く、何かをずっと考えていなければいけいない場面や神経を張っていなければならない場面は結婚式場でのお仕事に比べるととても少なかったのです。そのためお仕事を終えた後の疲労感は格段に少なくなりました。しかし同時にお仕事に対する充足感や達成感も少なくなったのです。

結婚式場のスタッフも、レンタルショップのスタッフもお客様に「ありがとう」と言ってもらうお仕事に変わりはありません。また、お仕事の内容についても結婚式の披露宴の内容は個人差があるものの、私たちが行うドリンクサービスは毎回同じことをくり返すものでしたので、同じことをくり返しているレンタルショップと変わらないものだと感じていました。しかしその2つのお仕事の間にやりがいの差を感じるのはお客様のスタッフに対する接し方なのではないかと私は考えます。

結婚式の披露宴は、お客様皆さんが新郎新婦の祝福のために集まっています。知り合いもそうでない人も会場内にはいると思いますが、みなさん同じ目的のためにいるのです。そのため会場内は幸せにあふれ、自然と「ありがとう」の気持ちもあふれているのではないかと思います。レンタルショップが「ありがとう」であふれていないというわけではなく、レンタルショップのお客様はみなさん個々での利用のため、一対一での対応のみになるので、より大きな充足感が得られないのではないかと私は考えました。

充足感や達成感とは別に、高時給のアルバイトと最低賃金のアルバイトとの間に感じたものがあります。それはどうして最低賃金のアルバイトなのか、ということです。最低賃金のアルバイトは、このような言い方をしたら失礼になってしまうかもしれませんが、誰にでもできるお仕事だと感じます。高時給だと特別な能力が必要だ、ということではなく、同じ作業を淡々と繰り返すことが多いため、覚えてしまえば誰にでもできる、という意味です。そこが賃金に差が生じる1番のポイントなのかな、と今回2つの職業を経験したことから学びました。